エコ・ネットワーク
「環境」をテーマに幅広い活動を行っているエコ・ネットワークから、取り組んでいるクマによる住宅地侵入防止のための環境ボランティアによる放棄果樹伐採プロジェクトの報告をいただきました
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札幌市南区の国道230号沿いの藤野、簾舞、豊滝、小金湯の各地区は果樹の栽培が盛んな地域で、住宅地に接する形で果樹園が点在している。一方、所有者の高齢化や後継者難などにより、廃業して放棄された個所がかなりある。これらの果樹(特にサクランボ)はクマの好物で実のなる6~8月にかけては、クマが食べにやってくる。一例をあげると0.5ha(5,000㎡)の放棄された果樹園に5頭のクマが入れ替わり侵入していることがDNA調査により判明している。
クマが突然住宅地に侵入するのではなく、サクランボ等管理されていない果樹がクマを誘引して、更に住宅地に接近する実態が明らかになった。
そのため札幌市などとの協力により、放棄された果樹を伐採する環境ボランティア活動を2020年5月から開始し、本年も継続している。春から秋まで年10回近くの作業を実施して、これまで200本を伐採した。伐採後の幹や枝の処理に手間がかかった。作業には募集に応募してくれた市民が毎回20人前後参加している(登録ボランティア70名)。チェンソーや草刈り機を使っての作業だけに事故の内容、細心の注意を心がけている。
調査機関の調査によると明らかに予定地区での熊目撃例が減っているというデータが発表されている。本プロジェクトは、今後数年は継続していきたいと考えている。